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雨女の私は、晴れの日は話が決まらないことが多い。

蟻が事務所の周りで行列を作っていたので、

女性社員らはどうやって退治するかをうれしそうに話し合っていた。

 

編集長と半期の賞与査定の話をする日だった。

もともとそんなに意味のない、自己評価の提出なのであまり気に留めていなかったが

しきりに今年、自分ががんばっていたことをほめてくれる。

この人に慰められたり、ほめられたりするとやたら泣きたくなる。

優しいのか怖いのかわからない人で、脳みその端が熱くなる。

犬っぽい、猫っぽいの判別がつかない人。

 

地元ミュージシャンの所属事務所の社長と定例会で会った。

自分と2つ位しか違わないのに、もう離婚を経験している。

しかも、卒業した大学の人だったと聞いて世間の狭さを感じる。

「来年結婚に良い年らしいんです」とふってみたところ、

漫画のキャラクターの名前を上げておすすめされる。

二の腕をつままれて500g痩せたねと云われ、犬みたいな茶髪だなと思う。

 

マンションの警備員の横顔が、前の前の彼氏にそっくりだった。

引け目を感じているふりをして、しきりに謝る人だったが、

あくまでそういう体なだけで、何も思っていない感じ。

起こる不祥事は、誰のせいでもないから、自分のせいでもないよ、

とでも言いたげな表情が、とてもしんどい時は助かったが、

そうでないときはひたすらその犬みたいな視線にイライラした。

 

『僕は犬』米代恭(少年チャンピオン・コミックス・タップ!)

ある少女の家に勤める、男性があーでもこーでもないとぐだぐだ不平を言う話。

いいくるめられる男が犬というよりは、少女の方が犬だろう。

 

わがままでごめんと言えば、もっと言ってと言い、

言うことを全て聞けと言えば、できないと言い、

何ができるかと言えば、犬にはなれないと言う。

 

 

僕は犬 (少年チャンピオン・コミックス・タップ!)